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新じゃがいも。

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ここ2週間弱なんだか忙しく仕事場と自宅の往復の日々。
昨日はこちらの在住日本人の方々にデンマークにて初めてBBQに呼んでいただき、
久しく日本語も使ってなかったのでなんだかほっとしました。
この春から日本に戻り新しい生活が待っている友人達もおり、また節目の季節がきたんだなーと実感。
最近のデンマークもやっと春が来そうな感じです。やっと桜も開花したそうですね。
アスパラや新じゃが、春イチゴ、ルバーブなどの春の野菜も店頭に並んでます。
復活祭もちょこちょこと休みがとれたのでじゃが芋料理でもしようと思っています。


じゃが芋一つとっても奥は深い。
例えば新じゃがはポテトサラダを作るには向いてません。
美味しいポテトサラダを作るにはしっかりと成熟したじゃが芋が適しています。
でんぷん質の多いじゃが芋料理のポイントは
なるべくでんぷんを外に出さず、じゃが芋独特の糊上の粘りをださずに調理すること。

まずたっぷりのお湯で茹でた後、熱々に熱したソテー鍋で
乾煎りして粉ふき芋を作る。
しっかりと水分を飛ばした後に塩、胡椒、ビネガーを適量ふる。
冷ました後にマヨネーズで合えるのが理想です。

この作業の中でも注意点があって必ずじゃが芋を茹でるときは塩を絶対に加えない こと。
デンプンは加熱すると水分を含みあの独特の粘りがでてしまいます。 
塩を加えて茹でると塩を加えないで茹でた場合よりもじゃが芋の細胞が壊やすく煮崩れし
デンプンが外にどんどん流れ独特の粘りがでてしまい、舌触りの悪い粉ふき芋になってしまいます。
またソテー鍋で必要以上にじゃが芋を混ぜるとやはり細胞が壊れデンプンが外にでてしまい、
粘りがでる。
味付けも必ず粉ふき芋にした熱々の状態ですること、
加熱すると細胞が壊れデンプンが水分と一緒に外にでる様に
味が素材に染みこむプロセスも加熱している状態が一番吸いやすく、染みこみやすい。
必ず細胞が壊れている熱々の状態で
塩、胡椒、ビネガーをかけてあげるとしっかりとじゃが芋に味が浸透します。
マヨネーズを合えた後でもしっかりとしたぼけない味になります。
そしてこの状態で塩コショウに加えてお酢を少量加える理由は
この一番味が馴染みやすい、吸いやすい状態で少し酸味をじゃが芋に隠し味として残すとマヨネーズ独特の酸味も引き立つからです。
逆にマヨネーズの様に味の強い調味料は素材そのものの味が消えますので
味が染みこみにくい必ず冷ました状態で合えるとじゃが芋の内部にまで必要以上にマヨネーズの味は浸透せず、素材の味も残ります。
たかだかポテトサラダといえどこの様にポイントを踏まえて作ると粘りもでず、舌触りも良く
酸味、塩味そしてじゃが芋独特の香りや味もハッキリと残る仕上がりになります。


簡単な様で一つ一つの作業に理由があり、コツがあり
それが料理の難しいところでもあり、面白いところでもあると思います。
味付けをするポイント、瞬間、味が染みこむメカニズム、
そしてそれぞれの素材の特徴などを踏まえると、必要以上に調味料などを加える必要もなくなり、
濃い味付けになったりもせず、素材の味も消すことなくまた調味料の味つけもはっきりとした良い味になりますよ。

なので身も硬く締まり、水分も適度な成熟したじゃが芋はポテトサラダやコロッケなどが適しています。
水分も多く身もまだ未熟な新じゃがは煮崩れもしやすくデンプンが外にでやすいので
こういった料理には向いてないですが、
水々しく味も食感のいいのでそのままオーブンにいれジャガバターにしたり
グラタンやスープといった料理が向いています。



※写真

臨時収入もあったのでもうずいぶん古びていたテーブルを新調しようと思い購入しました。
春らしい明るい木目調のテーブルを選んだんですが、届いたのはスゲー真っ黒なテーブル。
超凹みながら組み立てた先週末でした。。。
昔からこういうミラクルはよく起こすのでもう慣れました。
僕の自分で言える良いとこは諦めのいいとこです。
まあいっかです。

# by silga | 2011-04-18 19:42 | 日常などなど

100

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昨日は90人のランチブッフェ。
夜は70人の2コースディナーをほぼ一人でやってクタクタ。。。
でも昨日はほんとに天気がよく職場前の運河も太陽光を求め人がいっぱい。
改めてこの国で太陽の光の大切さを実感しました。

ああ、こんな日はぼーと釣りがしたい。ビールでも飲みながら好きな音楽でも聴きながら。
無理な妄想もするだけでよしもうひとふんばりやるかと元気がでる。

コックを始めた頃に繰り返し繰り返し聞いてた音楽や見ていた映画を久しぶりにひっぱりだすと
当時の思い出が甦るように、料理もきっとそうでありたい。
日本に比べヨーロッパは味を変えない、味を守るという意識はとても薄い。
もちろん形を変えずに伝統料理というものはあるが日本の職人のような頑固さはない。
日本の職人の一途な頑固さ、技術は海外にいるとなおさら誇りに思います。

そしてその繰り返し繰り返し聞いてた音楽や、見ていた映画、
食べていた変わらない味の一皿。
当時僕が夢中になっていたものの作り手の方々は30代の人が多かった。
一つのことを10年やってみてそこがひとつの分岐点となる。
30代が一番脂がのっている時期と言われるのも今でこそなんだか少し分るような気がします。
そして今その作り手の人達の当時の年齢に自分自身が追いついてきて最近思うことがたくさんあります。

昨日の団体は客の世代と出す料理が逆転していて少し面白かったんです。
90人のランチブッフェは昔ながらの伝統的なデンマーク料理をだしました。
客層は20代、30代の若い世代が中心。
夜の70人のコースはデニッシュフレンチ、いわゆるニュースカンジナビア料理。
僕ら若い世代が考えた新しい料理です。
客層は60代、70代のもうそれぞれ自分の仕事の現役を引退している方々。

みんな純粋に楽しそうに食べている。

こちらの人が食べているのを見ていると、うまく言えませんが色んな葛藤、
そして自分の中に染みこんでいる色んな頑固さが消えます。
僕がコックを始めた13年前、なんで日本料理ではなく
ヨーロッパの料理を選んだのか、なんだか最近やっとわかったような気がします。

震災から一ヶ月が経ちました。これからも時間はどんどん経過していきます。
僕が10代の頃色々なきっかけとなった感動したものが日本にたくさんあったように
今度は僕ら若い世代がこの悲惨な状況下でも何かを始めようとする世代のために
今自分がやれることそしてこの時間を粗末にせず、
どんどん新しいものを生み出していかないといけない番だなと思うこの頃です。


今日は久々の休みらしい休み。
とりあえず布団を洗おう。

# by silga | 2011-04-11 17:02 | 日常などなど

菊芋、セロリ、オレンジのパスタ

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パスタの更新は3年ぶり。
パスタマシンを買おうか悩んでるこの頃。
今日はデンマークではおなじみの菊芋のパスタ。
いつもパスタを作るときはなにかトッピングを作るようにしています。
シンプルな料理なので一つ着飾ってあげる感覚で冷蔵庫にあるもので作ってあげるのが基本。
そしてにんにくの使い方がやはり肝心なので今日は詳しく書けるように写真を撮りました。
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万能ねぎはナイフでスライスし、セロリは皮むき器でまず表面の皮を取り除きそのまま皮むき器で
なくなるまで削いでいき冷水(できれば氷水)に漬けておきます。こうすると灰汁もぬけ水気を
きった後はクルンと丸まり飾りとしても綺麗です。
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オレンジのフィレとオレンジ果汁、オリーブオイル、塩、胡椒で味付けします。
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にんにくオイルの作り方。
にんにくは包丁の背でつぶし写真のようにたっぷりのオリーブオイル(泳がすくらい)
でフライパンを傾け弱火で煮ていく、じっくり揚げていく感覚です。
オイルにニンニクの香りを移すことが重要。
余熱でにんにくに火が通るのを計算して8割がた良いキツネ色になってきたら
ここで初めてタカの爪、ベーコンをいれ唐辛子とベーコンの香り、味をオイルに移していきます。
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ここで主役の材料をここで入れます。
菊芋は皮も美味しいのでよく荒い、芽の部分だけナイフで削ぎ乱切りにし、さっと炒めます。
じゃが芋と違って生でも食べれる食材なのでシャキシャキ感が残るようにさっと炒める程度です。
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今までの作業はパスタの味の決め手となるドレッシング作りだと思ってください。
オイルに各材料の味、香りをどれだけ移せるかでパスタの味が決まります。

そしてここからの作業が一番の決め手。

そのオイルをパスタに絡みやすくする為にパスタの茹で汁とオイルを合わせてソースを作ります。
全ての材料の香り、味が移ったオリーブオイルと茹で汁を適量すばやくあわせて乳化させ
ます。
ポイントとして合わせる時はオイルがある程度の温度を保っていること。
でも水を投入したとき一気に蒸発するほどの高温だと危険ですし、水が蒸発するだけで
油とうまく乳化はしませんので注意。逆に低温すぎると分離してしまいただソースの味を薄めてしまうだけなので、ある程度の温度が重要です。
そして合わせる瞬間はフライパンを軽くあおりかき混ぜる感覚です
油と茹で汁がうまく合わさりソースにとろみがつけば乳化の成功です。



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このソースとパスタを絡めていきます。
軽く塩、胡椒で味を整えます。

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オレンジのサラダを大胆に盛り付け完成。


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# by silga | 2011-04-07 21:35 | パスタレシピ

布団の中

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布団の中に入る猫は珍しいと聞きますが、
ここ最近寒いのか朝起きたら入っていたり、
夜はいないなーと思って探すと布団の中で小一時間寝ています。

この猫のマイポジション。
棚の上だったり、バスルーム、布団の中だったり様々ですが気まぐれなんかではなく
彼女なりの季節感が感じ取れます。
日本では桜が咲いていると聞いてますが
まだまだ寒いデンマークです。


気がつけばもう4月ですね。
春を意識したメニューを書きたいですがまだまだ春のメニューに似つかわしくないデンマーク。。
いつも料理を考える前にインスピレーションとして頭に最初に浮かぶものは食材や出来上がりの絵ではなく『色』。
うまく言えませんが、春なら春の色、夏なら夏の色。

。。。ん?なんか言ってる事が芸術家っぽくてやですが

その辺だけは不思議なもんでほんとに無意識にでるもんで、それから食材選びだったり、こうやったら綺麗だろうなとか、美味しいだろうなーとか。

シルガが季節に合わせてポジションを変えるように
その色も季節ごとに自然に頭に浮かんできてるんだろうか??

そしてなんでこんなに時間がかかるんだろうというくらい料理って時間が過ぎていきます。
食べるのはほんの一瞬なのに。。。
でも馬鹿らしいと思ったことは一度もない(仕事辞めようと思ったことは何百回とありますが。。)
美味しいものを作る為には当たり前なこと、しょーがない。
ヨーロッパのキッチンに入ってみてその意識は強くなったような気がします


なんてひとり言を書いていたら朝4時。。。
くだらないことを書いてないではよ寝て明日の30人の団体宴会をやっつけねば。。


ま、要は猫の写真を3枚載せたかったということです。

# by silga | 2011-04-07 11:19 | 日常などなど